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2020.06.25

【コラム】営業再開後の「シェア」について

コラム

 営業再開後の顧客の戻りには地域差がありますが、全国集計データでは、2月比で約71%、直近6月15~21日の7日間を前年比で見ると約82%と、再開直後と比べれば復調気配は伺えるものの、やはり実客数ではまだまだ物足りない状況です。

そして、想定されていると思いますが、100%元に戻る事はありません。

これはコロナ禍だけでなく、『原則禁煙』の影響もあるでしょう。

しかしながら、これは私もいくつかの地域を調査して、数値面と肌感で捉えている事ですが、営業再開後、多くのエリアで「シェアの変動」が起きています。


 平時の戦い方というのは、そうそう(週間単位での)シェア率・順位の変動はなくて、コツコツ積み上げていって仕掛けどころでアタックしてひっくり返すのがセオリー。

ところが、今回のコロナ禍では、例えば、圧倒的一番店が下位店に迫られていたり、なかなか崩れなかった堅調店が不安定になっていたり、平時では見られなかったような変動が起きています。

これは、シェアは
『環境変化が大きければ大きい程変動しやすくなる』
性質を持っている為です。

何故かと言うと、地域・性別・職業・年齢など、各店が意図しているかどうかにかかわらず、各店の支持分布は同一ではありません。

コロナ禍での顧客の行動変化は様々ですが、一番店あるいは堅調なお店は 女性比率が高かったり、定番機の構成比・客数比が高い 事が多く、その層の戻り率が低い為にシェアに変動が起きているのだと考えられます。

勿論、客数的にはどこも平時より下がっているので、「キツイのはウチも同じ」ですが、もし自エリアで相対的なポジショニングの変化があり、上位競合差が詰まってきている状況があるのであれば、それは絶好の機会になります。


 さて、販売延期となっていた「金富士」・「仮面ライダー」は、8月納品を見送って9月6日週になりました。

その理由を探っていくと、部材調達の不具合というより「ホールの購買意欲を見て」といった意味合いの方が強そうです。

7月7日、7月下旬の4連休、8月8日からの最大9連休という商機に対して、「新台に依存しない方向」に舵を切った事は決して悪い事ではありませんが、それだけ8月に仕掛けられても「動けない」ホールが多い事の現れでもあります。

「シェア分析」を行なって、8月9連休に向けてシェアを奪うシナリオづくりは、まだ間に合います。

勝機を零すな!掴み取れ!